『スウィーニー・トッド』悪魔の理髪師、市村正親に怖いものなし

恐怖の『スウィーニー・トッド』が戻ってくる。ブラックな展開と愉快なテンポで観客を惹きつけ、もはやミュージカルの定番となった。そんな悪魔の理髪師を演じる市村正親に、恐るおそる心境を伺ってみた。
 
『スウィーニー』にはどんな思いがありますか?

初めてブロードウェイで見たのは30年前とかですよ。ハラハラドキドキでした。今は2人の子供に恵まれて、スウィーニー・トッドの気持ちがリアルに感じられるかな。
 
今回で上演が4度目です。

嬉しいですね。歌には苦労しても、もう一回歌いたいという気持ちがありました。苦労した分は体の身についているので、またこの作品の中で自分を委ねられるのは、この役者冥利に尽きるなっていう感じです。
 
全国を回りながらの上演ですが、地域によって観客の反応が変わりますか?

例えば大阪と東京を比べると、大阪の方が素直なんですよ。変な話、東京は9割が地方人の集まりなんです。大阪は、9割が大阪の人。だから他の人の事は気にしないで、面白かったら笑う。東京は面白くても周りの反応次第で控えめになる。でも、僕はどんなお客さんにも魅せて、みんなが元気になってくれたらいい。
 
市村さんのそのポジティブな生き方は何かに影響されたんですか?

基本的には人がいるから自分がいるという立ち回りだから、誰もいない稽古場は寂しいですよね。お客様が見てくれるから精一杯パワーを出すのが、僕の生き方なのかな。一人っ子だったので、子供の頃から自分が何かをすれば周りの友達から喜びになって返ってくるっていうのが、僕のベースですよ。
昔やった『エクウス』で、「医者はその情熱を破壊することはできる、でも作り出すことはできないんだ。」という有名な台詞があるんですね。僕は、役者は情熱を作り出す事ができると思ったんです。
 
実際、どういう役を演じるのが好きなんですか。

全部。来た役は、来た役で、やりたい役は全部。だって、ババアやってジジイやってね、少年やって化け物やったらさ、何も怖いものないですよ。
 
怖いものなしは強いですね。今の日本の若者は大きな夢を持てずに、スウィーニー・トッドより引きこもりがちな印象です。そんな彼らに対して、市村さんからのアドバイスお願いします。

好きなものを見つける。見つけたらば、まずは一から始めていく事です。僕だって、初出演の舞台ではいきなり主役ではなく群衆の1人だからね。 下っ端の役から周りと力を合わせていく。好きな事だったらいくらでも勉強できると思うんだよ。
 

 
市村正親

1949年、埼玉県生まれ。1973年に『イエス・キリスト=スーパースター』でデビューし、翌年に劇団四季へ入団。『オペラ座の怪人』などミュージカルの名役を次々とこなす。1990年の退団後も積極的に舞台に立ち、現在に至る。


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ローランド リチャード

ローランド リチャード

1994年、東京生まれ。カナダと日本のハーフ。現在、慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパス(SFC)に通っている。当サイト唯一の運営者。

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