先人に「起業の極意」を授かる

起業に不可欠な「失敗力」とは?ニコニコ動画で知られるドワンゴの夏野剛さんや、話題を呼んでいるC Channelの森川亮さんなどITベンチャーの顔なじみの方々が、慶応大学の湘南藤沢キャンパス(SFC)のKBC実行委員会が主催した「Academia」に顔を揃えた。対談後、起業家ならではの本音を伺えた。

前半の対談はこちら:


i-mode夏野・元LINE森川ら集結!「失敗力」こそがベンチャーの生き残り策

 

登壇パネリスト
森川亮
元LINE株式会社代表取締役社長 CEO、C Channel株式会社 代表取締役社長
柳澤大輔
株式会社カヤック 代表取締役CEO
小島梨揮
株式会社ウィルゲート 代表取締役
廣川克也
慶応藤沢イノベーションビレッジ (SFC IV)  インキュベーションマネージャー

モデレーター
夏野剛
慶応大学 特別招聘教授、株式会社ドワンゴ取締役

 
小島梨揮さんは採用基準を実力から価値観に変えたとおっしゃりましたが、具体的に採用プロセスがどう変わりましたか?

小島梨揮さん 正直、最適な面接の仕方が分からなかったので、そうなると前職や経歴で採用していたのですが、そういう人が必ず組織で活躍するとは限りません。結局何度も何度も話し合うしかなくて、考えの中ですり合わせて一緒にやりましょうという形になりました。

自分を含め、熱心に耳を傾ける学生たち

自分を含め、熱心に耳を傾ける学生たち


 
今回のメンバーはコンテンツに関わっている方々で興味深いです。これからの情報氾濫時代に、どのようなコンテンツを普及させて、どのような消費を想定しているか伺いたいです。

夏野剛さん コンテンツを特別なパッケージ化された時代は終わりました。そこら辺で揉めているカップルでも十分面白いです。数年前に話題になった『電車男』も、モテない男をネット上の掲示板で可視化したわけです。君の人生そのものをコンテンツにしたら面白いかもしれない。

可視化するかしないかで、単なる出来事として終わるか世の中でコンテンツと呼ばれるか 。その境目がネットによってもう何でもコンテンツにできる時代になりました。逆に言うとハリウッド並みにお金をかけたコンテンツはいけるけど、日本映画のようにお金をかけないで作るとそこら辺の痴話喧嘩の方がよっぽど面白くなるでしょ?

事実は小説より奇なりっていう言葉があるのですけど、あれは小説というコンテンツパッケージより事実の方が面白いって話をしています。今まさにすごい経済小説があっても大塚家具の騒動の方がよっぽど面白いです。逆にパッケージ化されたモノはその分の付加価値を持たないといけないですね。

柳澤大輔さん カヤックなんて面白法人として会社をコンテンツ化して、まさにおっしゃる通り見ていて会社が面白いっていうのを最初から狙っていました。仕事を発信して、見ていて面白いという全てがコンテンツといえるという風には思います。

森川亮さん 昔は素人と専門家の境目があったから、職人みたいな難しいものが「すごい」と定義しましたが、今はみんな忙しいから分かりにくいものってスルーしちゃうのですよね。だから表面的にパッとつかむし、刺激的なものにみんな集まりますね。食事もそうですよね。昔は美味しい物がいい物だと言われていたけど、今はお菓子とかマクドナルドとかそこにパッと目が行くことによって本当に体にいいものが食べるっていうのも難しくなっていて。みんな忙しいので分かりやすいものに食いつく傾向が高まると思います。

今日もご意見番の夏野さん

今日もご意見番の夏野さん


 
ベンチャーの経営者はプレッシャーを受けながら孤独で悩んでいるように見えますが、それとどう付き合うのでしょうか?

夏野さん 新しいことをやろうとするリーダーや社長は、孤独と向き合わなければならないですよね。

森川さん 別に悩んでもいいと思うのですよ。ただ悩んでいるだけだと何も進まないので、行動するかどうか。みんな悩んでいるじゃないですか?

柳澤さん 失敗をすると責められたり、何か新しいことをすると叩かれたりもしますが、信念を持っているからそんなに苦しくないですよ。確かに辛いこともあるかも知れませんが、そういう時にどう回復するかと言うと、いずれはいい経験だったと将来思えるようにイメージすればいいんだと思います。

 

学生団体KBC実行委員会  http://www.keio-contest.org/
C Channel http://www.cchan.tv/
面白法人カヤック http://www.kayac.com/
ウィルゲート http://www.willgate.co.jp/
SFC-IV  http://www.smrj.go.jp/incubation/sfc-iv/

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ローランド リチャード

ローランド リチャード

1994年、東京生まれ。大学時代にリッキーレポートを始める。現在は会社勤めしている。 社会人生活を始めてから更新が途絶えるものの、また新しい記事を投稿したい思いを持っていた。

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