【プレゼントあり】欧州から音楽旋風!「ヨーロピアン・ロック・フェス」をレポート

70年代に流行ったプログレッシブ・ロック。年月を経てもなお、心若き中年たちに「プログレ」という相性で熱く支持されているジャンルだ。主に欧州に籍を置くバンドは、古今東西の多彩な音楽性を融合して新たな表現を開拓しようと日々挑戦している。今回の「ヨーロピアン・ロック・フェス」にてそんなバンドたちが4組も来日公演。東京国際フォーラムにプログレの嵐が到来した。

開場30分前。当日券を買い求めようとファンたちが長蛇の列を組んでいた。ほとんどは中年のおじさまらで待ち遠しくも、興奮を抑えた表情だった。我ら3人のプログレ愛好者も会場に到着。顔を塗った相方はコンサートを盛り上げるのに準備万端だ。

開場したてのホールにじわじわとファンが着席。同類の愛好家たちは他の公演で既に顔なじみだ。やがて1階席が埋まると、薄く点灯されたステージに人影が上ってきた。
 
ファンタジー・ロック・オーケストラ

ぼくたちもバンド加入?

ぼくたちもバンド加入?


オープニングアクトとして観客を盛り上げに登場したのは、今年結成したての「ファンタジー・ロック・オーケストラ」。当イベントを主催しているロック雑誌「ストレンジ・デイズ」の岩本晃市郎編集長がプロデュースに携わり、アニメの作曲などで知られる永井ルイさんがバンドマスターを務める。

本公演の開始前に2曲を披露。幻想的な演奏と絡めた22歳のボーカル、瑞希さんの魅惑的な歌声が印象に残った。

今秋のファンタジー・ロック・フェスでも公演も楽しみだ。


 
Pineapple Thief
[パイナップル・シーフ]
イギリス

初来日は新鮮だったようだ

初来日は新鮮だったようだ

岩本さんの挨拶が終わり、ステージに上ったPineapple Thief。平均年齢が高いプログレ界では珍しく若い顔が揃うバンドだ。緊張感あふれる電子音がしばらく鳴り響き、ドラムの確かなテンポも加わる。観客の視線が集まると鋭いギターリフが緊張を解き、会場の空気が一変。多くが初見だと思われる観客も食いつき、見事なスタートダッシュを切った。そのまま4拍子ビートにつながり、フロントBurce Soord(ブルース・ソード)からしびれるヴォーカルの声が。ファンにとっての定番の曲から、リリースされたばかりの新曲まで演奏しきった。初来日のPineapple Thiefだが、新たなファンたちはその名を忘れないだろう。

また、読者プレゼントを用意した。詳しくは、記事の一番下をご覧ください。


 
Kaipa De Capo
[カイパ]
スウェーデン

シャワー上がりなのでカーテンで隠す

シャワー上がりなのでカーテンで隠す

盛り上がってきた会場に舞い降りたKaipa。バンドをリードするのは兄弟のMichael(ミカエル)とRoine Solt(ロイネ・ソルト)だ。シンセサイザーが曲のムードを醸し出し、ドラムがゆっくりとペースメーカーとなる。その上に弟Michaelの太い声が乗り、兄Roineのギターが華麗に嘆く。 バンドマンたちの複雑な絡みは聞き応えある音となる。

次の曲に入ろうとした途端、Roineさんのギターにトラブル発生。スタッフが全力で機材調整する一方、弟が陽気に「Always Look on the Bright Side of Life(人生前向きさ!)」を歌唱。イギリスのコメディーグループ、モンティ・パイソンの名曲だが、雰囲気で意味を掴めた日本の観客も微笑。音楽以外でも兄弟のナイスプレーだ。無事に調整できたら、急いで演奏に戻った。Roineさん曰く、「日本人は時間に厳しいからね。」潤沢に時間を費やさせる地元のスウェーデン人と違う国民性を感じたそうだ。久しぶりに再結成で楽しみながら演奏していたKaipaの姿を、ファンたちは安心して見届けた。


 
Flower Kings
[フラワー・キングス]
スウェーデン

ギターが絡み合う!

ギターが絡み合う!

Kaipaのメンバーが楽屋に帰っても、Roineさんはそのままステージに残ってセットアップへ。 Kaipaを歌いきったかと思いきや、リーダーを務めるFlower Kingsでさらに1時間演奏する「試練」が待ち構えていた。だが、彼らの音はそんな心配を吹き飛ばした。

メンバーが重ねるFlower Kingsの演奏は相変わらず職人もの。その上に、高めの声調に合わせた明るめの曲を歌う Roineさんは、また違う存在感を放つ。各メンバーたちの技量が調和し、楽器の決め方や音の重なり方のバランスが取れていた。複雑な曲を流れるように弾かせるその圧倒的な演奏力に、会場は支配されたようだ。もはやバンドそのものがFlower Kingsという一つの楽器と化していた。


 
Atoll
[アトール]
フランス

マントはチベットから

マントはチベットから

いよいよラストスパート。8人という多数のメンバー構成がステージに上り、ミストが黙々と会場を包む。耳に囁くようなシンセサイザーのコードが鳴り、幻想的な雰囲気を構築する。すると、ステージ枠から紅に染まったマントで覆った怪しい人影が忍び込む。灯ったライトから、化粧を塗ったバンドマン André Balzer (アンドレ・バルゼェ) の顔面がうかがえた。出身地フランス由来のシャンソンのような声をリズミックに歌っては、その場で体を波のように揺らすなど、自ら楽曲の世界観に浸かっていた。

大注目の一曲は、名盤の評価が絶えないセカンドアルバムを飾る大作。20分超の熱演の中、Balzerさんは曲の節目ごとに新しい衣装で登場。 パジャマらしき服装で、霊に取り憑かれたかのように震えて歩いた姿は特に忘れられない。ステージを縦横無尽に動き回り、仰向け状態になって喉が破れるような雄叫びは、まるで命がけで訴えているようだ。情熱的なサックスにバトンタッチすると、もはや観客はAtollの世界の虜に。言語の壁を越えたパフォーマンスに、 知らぬうちに目が潤ってしまった。とても50代のおじさんとは考えられないエネルギーに、20歳の自分は元気づけられて思わず笑ってしまう。しまいには敬意を払ったスタンディングオベーションが鳴り止まず、会場は立ったままアンコールを迎えた。

その後、楽屋に戻ったAndréの化粧は汗で崩れはじめていたものの、表情は充実感に溢れていた。自分の心が動かされたことを伝えると、満面の笑みでハグをもらった。


 
なお主催者の岩本さんは、とにかく実行にこぎ着けられて一息ほっとしているとのことだ。今回のヨーロピアン・ロック・フェスは前回から2年を経てのVol. 2だが、ファンたちの反応を伺ってVol. 3の開催を目論んでいるようだ。

プログレの嵐が去っても、国際フォーラムの熱はなかなか冷めず。ヨーロッパから音楽の宝石を発見した観客は満足げだ。のろのろ席から立つ様子は、少しでも長く余韻に浸ろうとしているようだった。思い出すだけで肌が震える忘れられない一夜となった。
 
プレゼント応募
今回はPineapple Thiefメンバー全員サイン入りポストカードを用意した。

なんという贅沢な一品

なんという贅沢な一品


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どしどし応募をお待ちしております!

 
ファンタジー・ロック・オーケストラ http://fantasyrock.info
Pineapple Thief http://pineapplethief.com/
Kaipa de Capo @kaipadacapo
Flower Kings http://flowerkings.se/
Atoll https://www.facebook.com/pages/André-Balzer’s-ATOLL/
ストレンジ・デイズ http://www.strange-ds.com/


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ローランド リチャード

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1994年、東京生まれ。カナダと日本のハーフ。現在、慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパス(SFC)に通っている。当サイト唯一の運営者。

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