朝の開場直後から会場はすでに熱気で溢れていた。毎年開かれる「アプリ博」では、スマートフォンのアプリで勝負しているベンチャー企業が集結する。ブレイク前のLINEもここの小さなブースで告知していたそうだ。アプリの花場であり、国内のベンチャー文化を盛り上げるためにも重要なイベントだ。会場を歩き回ると、すぐに出展者の方々から声が掛かってきた。ここではいくつかのブースを紹介したい。
KDDIと組んだ!アプリから電話・メッセージ発信を手軽に
twilio
いくらスマホで情報伝達できても、電話網でしか届かない場合もある。どんな開発者でも気軽に電話のインフラを活用できるようにしたのがtwilioだ。災害時などの緊急連絡のために自治体が導入するなど、 すでに重要な役割を果たしている。国内ではKDDIと提携するなど、急成長を遂げている注目のシリコンバレー発のベンチャーだ。
仙台×フィンランド!国境を越えたアプリ交流
Global Lab Sendai
仙台とフィンランド・オウル市が連携し、経済活性化と文化交流を計っている。日本国内でも若い女性に人気な「ムーミン」を起用したアプリを制作したり、開発者たちがノウハウを共有するなど成果をあげてきた。これこそインターネットの力を活用した外交かもしれない。
あなたもベストセラー作家!?電子書籍でデビューしよう
BookSpace
どこでも持ち歩ける電子端末が増えるにつれ、書籍が読みやすくなった。同時に出版の敷居も下がり、自費出版する作者が名をあげつつある。多種の販売経路が競合する中、BookSpaceはより効率的に出版できるシステムを提供する。書籍ルネッサンスが起こるかもしれない。
20代、30代必見のメンズファッションメディア
Leaddy
遊び心を持ちながらライフスタイルを発信し、話題を呼んでいる。最近はLINEなどのニュースアプリと提携し、アクセス数は沸騰しているという。合言葉は「ちょっといいね」とのこと。
スマホでもテレビでも動画が見放題!
ビデオマーケット
月980円でビデオがいくらでも見れるビデオマーケット。品揃えに自信を持つ開発者たちは、以前の案件でコンテンツ制作会社と繋がりはじめた。これまでネット上で不正に配信されていた動画も、これで制作者にしっかり収入が入るそうだ。
あなたのアプリも宣伝! 利用者が増える広告システム
adcrops
せっかく開発したアプリをもっと利用してもらいたい。adcropsは他のアプリに広告を組み込んでプロモーションするシステムだ。掲載先にも収入が入り、お互いWIN・WINだ。
PC、スマホ、タブレット・・・全機種の動作検証をおまかせ!
株式会社KSK フレックス・ファームビジネスユニット
情報端末が普及した現在、ウェブサイトやアプリの開発者にとって豊富すぎる機種の動作確認は悩みのタネとなっている。KSKに検証作業を代行させることによって開発者は肝心の開発に集中できる。
みんなでアプリをテスト!ユーザーが触れる様子を動画で観察
UIscope
通常アプリ開発者はユーザーの様子を伺えず、どのように使われているか分からない。だから改善方法も模索しにくい。今までは確保した会場でカメラなどを設置し、招致した体験者から反応を得られたが、これでは敷居が高い。UIscopeは登録したユーザーにアプリを試してもらえるため、これまでの手間ひまが省けて、手軽に課題を発見できる。
文字通り「表情を伺う」アプリ検証サービス
fact4
アプリを使いこなしてもらえるように、開発者たちは日々奮闘している。Fact4はスマホに内蔵されたカメラから利用者の表情と目線を追跡し、視覚的なアプリ利用データを提供する。まさしく「ユーザー目線」から開発できそうだ。
ローランド リチャード
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